**木漏れび Hutte**

ゆるりと過ごす日常は、小さな旅の積み重ね ~迷える人の憩い場、避難小屋、そして道標~

知っておくべき!御嶽山の記憶と今

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2014年9月27日、御嶽山が噴火した。

そして今年で5年が経ちました。

 

5年前、私の頭の中には登山の”と”の字もありませんでした。

だから、先の災害が起きた時も

「どこか遠くの場所で起こっている出来事」

考えている自分がいたのです。

 

登山をするようになった今、御嶽山の存在を意識するようになりました。

 ***

 

8月某日、友人と長野県主催の #山小屋アカデミー という山岳ツアーに参加した。

 

このツアーのテーマは「御嶽山に学ぶ旅」

  • 火山に学ぶ
  • 御嶽山の水に学ぶ
  • 自然、信州登山案内人に学ぶ

 

実際にツアーを通して何を学んだのか。

1泊2日の御嶽山の山旅と学びを

ブログを通してシェアをさせてください。

 

はじめに、御嶽山とは

 

御嶽山の標高は、3067m。日本で5番目に高い山です。

山頂は剣ヶ峰という。その周囲にもいくつかのピークがあり

全てをひっくるめて「御嶽山」と呼ばれています。

長野県と岐阜県をまだぐ山です。

 

日本百名山、信仰の山として知られており、毎年多くの登山客や御嶽教の信者が訪れています。

 

山小屋の方の話によると、噴火後の登山客は増加してきているそう。

2019年7月から山頂へのルートが開通したこともあり

山開きから多くの登山客が訪れています。

 

※山頂に登れる期間は、山小屋が営業している期間のみ

7月上旬~10月上旬(体育の日まで)

 

そして御嶽山の山頂(剣ヶ峰)からの御来光はこちら(^^)

 

 

乗鞍岳、槍をはじめとした北アルプスの山々、富士山、八ヶ岳連峰など

数々の名峰を見渡すことができました。

 

山では”朝日”ではなく、”御来光”と呼びます。この言葉の響きが、私は好きです。

 

真夜中の光は星の輝きだけで真っ暗闇です。

しかし、朝になるとオレンジ色の光が満ち溢れます。

 

この光景は何度見ても、心や体が浄化される気持ちになります。

宇宙からの、ありがたい贈り物です。

 

噴火の記憶

山頂付近で見られたのは、このような光景。

 

手すりに噴石が当たったようです。その跡が生々しく残っています。

2枚目の写真に写っているのが「シェルター」です。

万が一、噴火があったときに逃げ込む場所になります。

 

山小屋が近くにあれば小屋に逃げましょう。

 

また、写真の女性のように、

御嶽山の9合目から山頂までは

ヘルメットの装着が必須となります。

 

自分の身を守れるのは自分だけ。

山を楽しむ気持ちと

登山中に危険予測をする意識は

常に持っておかなければならないといけません。

 

そして山頂には、慰霊碑がありました。

先の火山災害で58名が亡くなり

現在も5名の行方がわからないままです。

 

二ノ池山荘で、噴火の記憶を共有

今回のツアーで宿泊したのは御嶽山・二ノ池山荘という山小屋です。
噴火をきっかけに再建され、今年完成しました。(かなりきれい!)

布団は「暑い!」と思うくらい温かいものでした。(寒い山の上ではありがたい)

 

夕食後、山小屋店主から、噴火当時のお話を聞くことができました。

 

店主は噴煙が上がった時、登山客が小屋に避難するように

必死で呼び掛けたそうです。

 

二ノ池小屋の屋根を突き破って噴石が落ちてきました。

その噴石が、いまでも小屋に保管されています。めちゃくちゃ重いです。

新しい小屋の屋根には

防弾チョッキで使われている素材を使用しているとのことです。

(ということで、もしもの時は小屋に逃げましょう。)

 

二ノ池山荘のすぐそばに、二ノ池という池があります。

店主曰く、噴火前は飲み水として、大変重宝されていた水源でした。

 しかし、噴火の影響で池には火山灰が降り積もった。

結果として飲み水として、使うことができなくなりました。

▼二ノ池

 

現在は、雨水を水源としています。

水資源が不足していることから、登山客同士で”水のリレー”を行っています。

登山客がペットボトルを運び、その水を次の宿泊客のために使うというもの。

 私達ツアー客も、各人500mlのペットボトルを運びました。

 

「噴火は怖いものであり危機意識は必要。

しかし、御嶽山は素晴らしい山である。

多くの人に来てほしい。」

それが店主の思いです。

 

山はどこも危険と隣り合わせ。

どの山を登るときも、危機意識は持たなければなりません。

知識で自分を守れることだって、あると思います。

 

この夜、噴火研究をしている准教授のお話を聞くことができました。

 

「また地元の子ども達に御嶽山に登ってもらえるようになってほしい」と話されていました。

☟参考URL(※更新)

 

学校登山 5年ぶり御嶽山 木曽の開田中など再開計画 | 信濃毎日新聞[信毎web]

 

火山マイスターと御嶽山周遊満喫ツアー

私達が参加したツアーを引率してくださったのは「火山マイスター」です。

 

御嶽山火山マイスターとは

2014年の噴火災害からの経験や、御嶽山が作り出す自然と火山のつながり、御嶽山と木曽地域の文化など、様々な場面で皆さまに「火山との共生を考えるきっかけ」を提供し、火山防災のために熱く活動する、それが我々、御嶽山火山マイスターです。(下記URLより)

☟参考URL

御嶽山 火山マイスター - 木曽御嶽山安全対策情報木曽御嶽山安全対策情報

 

その火山マイスターに連れられて、私達が見た景色です。

 

 快晴にも恵まれて、本当に素晴らしい景色ばかりに出会うことができました!!

 

御嶽山はいくつものピークがあるので

噴火の影響が少ないエリアもあります。(摩利支天当たりなど)

そういったエリアでは二ノ池付近とはまた違った景色を

見ることができました。

 

 

北アルプスや南アルプスなどに生息する”ライチョウ”の親子も

見ることができました(^^*)(写真の左手前です)

 

花の百名山と呼ばれるだけあって

高山植物もたくさん咲いています。

 

「御嶽山=噴火」 というイメージが強いだけに、意外にも豊かな自然が広がっていたという印象です。

 

おわりに

この山旅の後、家族や山岳会で

御嶽の話を共有させてもらいました。

 

「自分には関係ない話だ」と思っていたことが、恥ずかしいです。

当時者にならないと、興味関心が湧きにくいという実情があります。

全員が興味を持って…ということは難しいことです。

だからこそ、この機会に御嶽について知れたことに感謝したいと思いました。

 

その昔、覚明行者が登山ルートを切り開いたそうです。
そのおかげで、現在私たちが登山することができています。

覚明行者がいなかったら、御嶽山には登れていない。

さらに御嶽山がなかったら、私達は山登り自体ができていなかったかもしれないのです。そんな歴史があったことも、山に来ないとわかりませんでした。

 

噴火の記憶や御嶽の歴史をたどりながら

雄大な自然を体感しました。

あんなに興味がなかった山も、今では思入れ深いものの一つです。

 

噴火の記憶は、忘れてはいけない。

 

けれど、そこから前を向いて歩んでいる今もある。

 

風評被害は、まるで伝言ゲームのようだと思います。

噂だけが一人歩きをしてしまう。

 だから、実際に自分の目で見る必要があります。

自分自身がその場に訪れて何を感じたかを発見することが、本当に大切だと思います

 

御嶽山は

山登りを楽しむ人々

慰霊登山に訪れる人々

山岳信仰に訪れる人々

地元の人々など

様々な人の想いが集まった山です。

 その想いとは、御嶽への愛の集合体です。

本当に、多くの人から愛された山だから、これからも愛される山であってほしいなと思います。

 

山登りは、常に危険と隣り合わせ。そのことは忘れないでいようと思います。

 山の歴史を感じながら

 これからも山を楽しみ、

この目で見た景色の素晴らしさを

山を愛する多くの人と共有できたらと思います。

 

以上、”学ぶ旅”、御嶽山からでした!

 

 

登山はできないけど御嶽山にいってみたい…。

☟そんな方はこちら

信州木曽御嶽山 御岳ロープウェイホームページ

 

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